死産した頃の記憶というのは、実はあいまいです。
ただ、私は確かに男の子を妊娠し、出産しました。
産声を聞くことはできなかったけれど、その姿は本当にかわいくて
ただただ眠っているようでした。
この頃の私の気持ちはまた別の機会とします。
一番気になったのは、どうしてあの子が亡くなってしまったのか。
死産後、解剖はしませんでした。
死産後、1ヶ月ほど入院しました。
その間、ずっと自分のことを責めていました。
私の何がいけなかったのか、病気のせい?
産婦人科の先生には、「解剖すればわかることもあるけれど、どうしますか?」と、問われました。
いくら亡くなっているとはいえ、私はそれを望みませんでした。
もちろん、原因はできれば知りたいけれど、それで必ずしもわかるものではない。
それならば、そのままの姿を目に焼き付けておきたかったのです。
そのかわりではありませんが、臍帯(へその緒)や胎盤などを検査していただいたのです。
臍帯に血栓?詰まりがあったことが判明
胎盤とへその緒を病理検査していただいた結果、所々に血の塊が見られたということでした。
へその緒は血栓ができたため、あかちゃんに十分栄養や酸素がいきわたっていなかったのではと推測されました。
そう、妊娠5ヶ月のころ、小さいといわれていたベビーは
血液が十分にいきわたっていなかったため、成長が遅れていたんです。
妊婦検診だけでは、そこまでのことはわかりません。
まして、私は血小板が少ない病気なのに、妊娠したら体調がどんどんおかしくなってしまいました。
血栓ができてしまった原因。
その原因を探るため、退院後に当時不育などの専門でみていた大阪母子医療センターで、病理検査の結果とともに検査をしていただきました。
でも、結局そのときの検査では、血栓ができたのが原因で死産になったことはわかったものの、血栓ができる原因まではわかりませんでした。
精神的にも肉体的にもなかなか回復できずに、数年。
10年後に、再び赤ちゃんを授かることができましたが、妊娠するまでも妊娠してからも、不安でいっぱいでした。